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お弁当の話

この会話は『』の中にあなたの言葉を入れてください。『』の中にヒントがあります。

 

「どうしたの?ずいぶん落ち込んでいるようだね」

 

『・・・子供のお弁当を忘れてしまったそうです。・・・』

 

「なーに、お弁当つくるのを忘れちゃって小学生の息子に怒られたって。そりゃ大変だ」

 

『・・・本当に度忘れしてしまったそうです。・・・』

 

「本当にうっかり忘れたんだ、息子さんも災難だったね」

「でも息子さんにとっては良い経験になったんじゃない?母親がいつまでも完璧に面倒みてくれるなんてないからね。彼はどうしたんだろうね。友達に打ち明けてお弁当分けてもらったんだろうか、先生に相談したのかな、ちょっと興味があるね。ピンチをどう乗り越えたんだろう?」

「うっかり忘れたというのがベストだね。彼は感じたよ、自分がしっかりしないとだめだって。自立が早いと思うよ。結局彼にとって素晴らしい体験になってよかったね」

 

 昔、自分も母親が弁当を入れ間違えられたことがあった。その頃父の弁当と中学生の自分の弁当を母は作っていた。父の弁当はご飯とおかずの容器が別で、自分の弁当は一つの容器にご飯とおかずが入っていた。母は自分に父のご飯のみ入った容器を持たせたのだ。お弁当を学校で開けた瞬間、恥ずかしくて、教室から逃げていった。その日、やはり帰宅してひどく母親をなじったと思う。思いがけなく昔の思い出が甦った。

 

 後日談で別の患者さんにこの話(話のネタにすることの許可を得ている)をすると、彼女はこう言った。

「うらやましいと思います。私は弁当のつくる前の日は緊張して眠れません!」

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