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イチロー(1)

 イチローと呼び捨てにして申し訳ありませんでした。ただイチローさんと書くと個人的に知っているような印象になってしまうかもと考えて敢えてイチローと書きました。

 先日、アメトーーク!という番組で、「ありがとうイチロー芸人」という内容で放送していたのを見ました。

  第二回WBC決勝対韓国戦 でイチローは決勝点となるヒットを放ちました。その試合後のインタビューで、


「本当は『無』の境地でいたい・・ですけれども、『ここで打ったら、俺持ってるなー』とか、『ごっつい今視聴率だなー』とか、そんな余計な事、かなり考えてた。そういうときってあまりいい結果出ないんですけれど、出ましたからね。ひとつ壁を越えたような気がしました」

イチローインタビュー

 ここで二重過程理論で考えてみる。実行制御の関係でタスクをシステム2からシステム1に入れ込むとそのタスクに対して速い対応や熟練した対応ができるようになる。そのときシステム2は邪魔ものでしかない。それをイチローは知っていて「『無』の境地でいたい」「そういうときってあまりいい結果が出ない」と話したのだ。しかし、実際ヒットを打ったときにはシステム2が働いていた。システム2が働いているのに身体は正確に反応した。イチローの脳は進化して、システム2が働いていても身体が反応できる新たな段階に入ったと自覚したイチローは「ひとつ壁を越えたような気がしました」と言ったと思われる。

 まさに超人である。

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