内受容感覚
「更年期じゃないかということなんだけれど、どんな感じ?」
『何か胸がつかえたような、息がしづらい感じ。動悸もするんです』
「不安がありそうだね」
『なんとかなりますか?』
「そんな感じがしたら、じたばたしないで、不安があるんだなーと思っていつもどおりやっていればいいよ」「ただし、それだけね。なんとかしようとしないこと」
主体性は、科学者が「内受容感覚」と呼ぶものから始まる。内受容感覚とは体に基づく感情である微妙な感覚の自覚だ。その自覚が大きいほど、自分の人生を制御する潜在能力も大きくなる。自分が何を感じているのかを知るのが、なぜそう感じるのかを知るための第一歩だ。自分の内外の環境における絶え間ない変化を自覚していれば、その変化を管理する態勢に入れる。
身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法 ベッセル・ヴァン・デア・コーク 著 柴田裕之 訳 P160