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妊娠と心

 危険を避けたり危険から逃れたりする行動は明らかに、生存に関して個々の生物に競争力を与えるために進化した。だが、不適切なまでに長期に及ぶ逃避行動あるいは回避行動は、当該の動物に不利に働く。なぜなら、種が首尾よく存続するには生殖が必要で、その生殖は、摂食活動や雨風を凌ぐ活動、繁殖活動を頼みとしており、それらは回避や逃避の反対だからだ。  

 言い換えれば、ある生物がサバイバルモードにはまり込むと、目に見えない相手を撃退することに精力が注がれ、養育や世話、愛のために余裕がなくなってしまうわけだ。私たち人間にとって。それはこういうことを意味する。すなわち、心が目に見えない攻撃から自らを防御しているかぎり、私たちの最も緊密な絆も脅かされるとともに、想像したり、計画を立てたり、遊んだり、学んだり、他者の要求に注意を払ったりする能力も損なわれてしまうのだ。

身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法 ベッセル・ヴァン・デア・コーク 著 柴田裕之 訳 P126

 この文章は前半がダーウィンの引用である。

 婦人科の臨床ではこんなことも経験する。不妊治療を中止すると、すぐに妊娠する女性。誰でもというわけではなくて不妊の明らかな器質的原因がない人ではあるのだが。「こどものいない未来」から逃避するために一生懸命になっているから???

 挙児希望のある女性には。このように話すことが多い。

「身体に余裕がないと身体が妊娠しようと思わないよ。とりあえずご主人とよく遊びなさい」

 

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