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認知的フラッシュバック

言語のさらなる落とし穴は、私たちの思考が「意味をなす」ものでないなら、それは簡単に正せるという幻想だ。認知行動療法の「認知」の部分は、そうした「非機能的思考」を変えることに的を絞っている。これは変化へのトップダウンの取り組みで、そこではセラピストは、ネガティブな認知に疑問を呈したり、その「枠組みの作り直し」をしたりする。

身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法 ベッセル・ヴァン・デア・コーク 著 柴田裕之 訳 P404

トラウマを負った人が、「セクシー過ぎた私がいけなかった」「他の男たちは怖がっていなかったのだから、彼らこそ本物の男だ」「もっと分別があれば、その通りを歩いたりしなかったのに」といった不合理な思考を抱いていることに疑問の余地はない。いちばんいいのは、そうした思考を認知的なフラッシュバックとして扱うことだ。悲惨な事故の視覚的なフラッシュバックを経験し続けている人と議論しないのと同様に、そのような思考についても議論しないのに限る。

身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法 ベッセル・ヴァン・デア・コーク 著 柴田裕之 訳 P405

 森田療法でいう悪循環も同じであるように思う。あることがきっかけで「ある思考」が浮かび、それが症状すなわち不安、強迫を生み出す。その思考を変えようとすればするほど、その思考に注意が集中し、症状が強まる。その思考をそのままにして、行動をすることで、自我が変化し、症状があっても問題なく生活ができるというのが森田である。

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