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認知的フラッシュバックと「不問」

トラウマを負った人が、「セクシー過ぎた私がいけなかった」「他の男たちは怖がっていなかったのだから、彼らこそ本物の男だ」「もっと分別があれば、その通りを歩いたりしなかったのに」といった不合理的な思考を抱いていることに疑問の余地はないいちばんいいのは、そうした思考を認知的なフラッシュバックとして扱うことだ。悲惨な事故の視覚的なフラッシュバックを経験し続けている人と議論しないのと同様に、そのような思考についても議論しないのに限る。それはトラウマを引き起こした出来事の残余だトラウマが起こったとき(あるいはその直後に)彼らが抱いていた思考が、ストレスの多い条件下で再活性化されているのだ

身体はトラウマを記録する 脳・心・体のつながりと回復のための手法 ベッセル・ヴァン・デア・コーク 著 柴田裕之 訳 P403

トラウマから引き起こされた不合理な思考には関わらない。これは不安症も同様である。森田療法では、このことを「不問」と言う。

「不問」という心理学的な技術について、よく討論されている。

このように『不合理な思考には関わらない』と考えれば少しすっきりするのかもしれない。

こゝに何々の感といったのは、本人が実際に其症状があるのではなく、単に其当人の自覚といふに止まるからである。特に精神的なものは、単に本人の独断で、他の人には此様な事はなくて自分だけの異常と思って居る即ち注意なり、記憶なり、疲労性の程度なり、之を実際的に検査して見れば、其結果は決して常人と異なる所はないのである。特に前に挙げた学校の成績が優等で、而かも読書に精神が統一しないとか訴ふるものあるを見ても分る事である。

森田正馬全集第二巻 P92

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