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近道思考

身体知性 医師が見つけた身体と感情の深いつなり 佐藤 友亮 著 朝日選書964 を読んで

そしてこのようなとき、人間が最終的な決断を下す方法には大きく分けて二つのものがあります。一つ目は、「論理的推論」、そしてもう一つは、「身体感覚的判断」です。   p56

 

この「近道思考」のことを、クロスケリー医師はFresh-and-Blood Decision-Makingとして紹介しました。これはもともと、マンチェスター大学の心理学者J・リーズンが定義した言葉です。医師が現場で行う近道思考は、経験に基づく「血肉化(Fresh-and-Blood)された」意思決定法なのです。この近道思考は、心理学の世界ではヒューリスティクスと呼ばれています。   P66

 

 ティモシー・ウイルソンと比較して、論理的推論をするのが意識、身体感覚判断すなわち「近道思考をする」のが適応的無意識と考えられる。また、カーネマンの著書に出てくる概念と比較すると、論理的推論がシステム2、身体感覚判断すなわち近道思考がシステム1に相当すると考えられる。

 

 森田療法では、身体感覚的判断すなわち近道思考は「体得」といった概念に相当する。もちろん論理的推論が過ぎて、誤った推論をしてしまうのが、「思想の矛盾」という。

 

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