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連想一貫性

 連想一貫性と精神交互作用の類似について

 あなたが二つの言葉を見た結果として起きた一連のことは、連想活性化と呼ばれるプロセスの産物である。最初に思い浮かんだことがまた別のことを呼び起こし、頭の中に次から次へと活動がつながっていく。こうした複雑な一まとまりの現象の基本的な特徴は、一貫性が保たれていることである。一つひとつが他と関連づけられ、支え合い、強めあっている。言葉は記憶を呼び覚まし、記憶は感情をかき立て、感情は顔の表情や他の反応(緊張や回避行動など)を促す。そして表情を変えたり回避行動をとったりすれば、そのもとになった感情は一層強まり、それがまた、感情に即した考えをさらに強めるという具合である。これらはごく短時間で、しかも同時に起き、認知的・感情的・肉体反応の自己増殖パターンを生み出す。このパターンは多様であるが統一されており、このことは連想一貫性があるという。

ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?
ダニエル・カーネマン 著 村井 章子 訳  P95

 上の文章の回避行動は森田療法でいう『はからい』に近いものと思える。その行動をとると、そのもとになった感情は一層強まり、それがまた、感情に即した考え方、すなわち『感情本位』となって、さらに強めるという。

 これは森田療法の精神交互作用のことを指しているように思えてならない。

 

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