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Cowanのモデル

ワーキングメモリの脳内表現 苧坂直行 編著 京都大学学術出版会

言語性ワーキングメモリ課題遂行時の情報処理と貯蔵容量 森下 正修、苧阪 直行 共著 より

 こうした議論を引き継いで、近年、新たな短期記憶容量を提示したのがCowan(2001)である。彼は、幅広い分野の認知研究をレビューし、短期記憶の”純粋な(pure)”貯蔵容量が“注意の焦点(focus of attention)”の概念によって説明できることを示した。彼のモデルの主要な特徴をまとめると以下のようになる。

(1)短期記憶は長期記憶の活性化したものであり、その中でも特に活性値の高いものが注意の焦点で保持されている。

(2)注意の焦点には容量限界があり、これが短期記憶の“純粋な”貯蔵容量と見なされる。その量は、標準的な大人では4±1チャンクと規定される。

(3)注意の焦点を外れた情報は、時間の制約を受ける。ただし、再活性化して注意の焦点に入れば、再度意識上で利用できる。

注意の焦点とは一体何なのかという問題。別の方向から見てみると何かヒントはないのかと思って読んだ書籍にヒントがあった。

ここで、(2)に書かれてあるとおり、容量の限界があるならば、問題となっている注意の焦点(とらわれ)の他に注意の焦点をクライエントの中に創ればいいということにもなる。自然にそれを行うのも、目的を持った行動に外ならないと思う。掃除するにも、その手順や何かを考えなければならないからだ。もちろん料理もそうだ。

(3)は森田療法の感情の法則である。ある気になる対象のことをそのままにしておけば、その対象に対する感情は消えてなくなる。

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