森田療法を超簡単にまとめてみた(1)
森田療法は森田正馬が創り上げた日本発の心理療法である。
1919年自宅を使って森田は入院療法を始めたのだが、有名なのは絶対臥褥というフレーズである。念のため入院療法は、絶対臥褥期、軽作業期、重作業期、実生活の4段階に分かれる。
現在では、入院治療を行っているところは少なく、外来で森田療法が行われていることがほとんどである。
また、森田が考案した治療理論は現在までほぼ変化がないと言っていい。これが他の心理療法と異なる点でもある。
ということは、森田が考えた概念が言葉として現在までしっかり残っている。それは森田療法を理解するために必要不可欠な言葉であるが、難解な部分もある。では、その言葉とは?
生の欲望、これは生物における自己保存欲、生殖欲、種族保存欲で、客観的には衝動、行動、活動である。これと反対側にある言葉が死の恐怖であり、それらは相対的なものである。また自然な感情である。すなわち「頑張って生きようとするから、つらいんだね」ということ。
悪循環(とらわれ)とは、心身の不快な現象を病的なものと解釈するために起こり、それが恐怖を引き起こし、それによって不快な反応にさらに注意が向けられ、強く感じられ、更に注意が引きつけられてしまう(精神交互作用)こと。
またこの悪循環を固定させ、長引かせる特有な自己感情体験に対する心理的態度が“思想の矛盾”であり、それは自己の心身の自然な反応を「そうあってはならない」とそれを取り除こうとする認知のあり方である。そのような認知を持つ人は「かくあるべし」と自己のあり方とその周囲の世界を決めつけ、「かくある」現実の自分と世界を認めることが出来ないこと。簡単な言いかたをすれば、間違った信念や知識を持っているから、現実(環境)にあっていないことになるということ。
次回へ続く
参考・引用)
「心理療法プリマーズ 森田療法」 北西憲二・中村 敬編著 ミネルヴァ書房
「森田正馬全集」白揚社
「森田療法セミナー」