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吊り橋の上の告白

 心理学で有名な「吊り橋の上の告白」を考えてみる。

 吊り橋の上では恐怖によって、心拍が増したり、震えたりで身体に変化が起きる。それを恋をしているための変化と勘違いして、異性から告白を受けたらその告白を受け入れやすくなるという。

 これは身体的な変化を誤った認知と結びつけ、すなわちその対象と連合してしまうからである。「身体的な変化」はダマシオの言う「情動」である。

 ここに森田療法の効果を考えるヒントがあるように思われる。

 モジュールという言葉を、「機能単位」という意味で使って考えてみると、

 森田療法の一面は、ある「情動」に伴う適応的でない感情や認知をあるがままに放置し(その適応的でないモジュールは現実に存在するので、削除はできない)、そのモジュールに伴う行動を避け、違った適応的な行動を自ら起こし、その行動を伴う適応的なモジュールに乗り換え、結果的に気分、感情を変化させるように援助する治療法ではないかと考える。

 

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