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拮抗作用

 森田のいう「精神の拮抗作用」は「Wegnerの反動効果」に似ている件。

 森田は「精神の拮抗作用」ということで、次のように記載している。

今、精神の拮抗作用とは、例へば吾人が恐怖を起せば、常に一方には、之を恐れざらんとする反対の心起こり、称賛を受けては、必ずうしろめたさを感ずる等の感情、富に居て貧を思ひ、物を買はんと欲して、其無駄なことを考へる等の所謂反対観念、さては門を出ずるにも、後を顧み、釘を打つにも、其力を加減する等の抑制意志等、皆吾人精神の自然現象である。筋肉でも精神でも、此拮抗作用は、一々吾人の随意に支配さるべきものではない

森田正馬全集 第二巻 神経ノ本態及療法 P336

 

 「Wegnerの反動効果」は

なにかについて考えまいとすると、かえってそのことばかり考えてしまう現象である。ふつうの日常では、人は上手に自分の注意をそらせて、頭の中から無用な考えを追い払う。だが、特別になにかについて考えないように言われると、「あ、まずい、自分は考えてはいけないことを考えているのでは?」と自問を繰り返すようになり、考えるなと言われたことを逆に思い出す結果になる。
 ウェグナーの反動効果は、さまざまな場面で働く。不幸なできごとを忘れなさいと言われると、かえってそのできごとを忘れられなくなる。ストレスになることを考えないようにと言われると、逆に不安感が強まってしまう。そして不眠症の人に眠れなくなるようなことは考えないようにと言うと、かえって眠れなくなる

超常現象の心理学  リチャード・ワイズマン著   木村 博江 訳
P156

 Wegnerもまた、行動面でも反動効果が働き、「指を動かすまい」とすると「指が動いてしまう」ことや、「振り子を動かすまい」とすると「振り子が動いてしまう」ということを指摘している。

 これは「とらわれ」を起こすメカニズムの一部とも考えている。

 

 

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