カレーのにおい
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先日TVで面白い実験を見た。「水曜日のダウンタウン」という番組である。
まずタレントを呼び出し、「打ち合わせ」ということで部屋に入る。その部屋の隠れた場所には、カレーの鍋があり、タレントが入るとカレーの鍋を混ぜて「におい」を発散させる。そして「打ち合わせ」は終了し、タレントが外に出たときに、カレーを食べるかどうか観察するという実験である。
タレントは食事にカレーを選ぶことがほとんどなのだが、選んだ人は同じ態度を示した。ダウンタウンの松本さんが指摘していたのであるが、
なぜ、カレーを選んだかわからない。
ただカレーを選ばなかったタレントはカレーが嫌いだった。
これは意識的にカレーを選んでいないことを意味する。
これは、観念運動とか、イデオモーター効果と呼ばれるものと考える。
次に観念運動という事があるが、之はもと其の観念が運動から得られたもので、之が何の気なしに即ち下意識的に、其儘運動として現はれる時に、之を観念運動といふのである
森田正馬全集 第一巻 精神療法講義 P527
・・・つまり老人という観念は、彼らの意識には上らなかった。それでも、学生たちの行動は変化した。観念によって行動が変わるというこの驚くべきプライミング現象は、イデオモーター効果として知られる。・・・ただし、たまたまあなたが老人嫌いなら、話は別である。調査によれば、その場合にはあなたの動作は通常より速くなるはずだ。
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか?
ダニエル・カールマン 著 村井 章子 訳