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相反仮定理論と感情の法則

 森田療法の感情の法則が相反仮定理論で説明できるかどうかという問題。

第一、感情は、之を其まゝに放任し、若くは其自然発動のまゝに従へば、其経過は山形の曲線をなし、一昇り一降りして、遂に消失するもである。

森田 正馬全集 第二巻 神経質ノ本態及療法 P345

 なぜ感情は、そのままにしておくと消失するのか、という問題を相反仮定理論で説明できるのでは?と思う。

 長期にわたる肯定的(または否定的)情動には、新しい情動的な情報に集中したり注目したりするのを困難にするというような、心理的な代償があるかもしれない。情動がもつ機能の一つは、環境の中で、どれが危険で回避すべきものなのか、どれが好ましくて接近すべきものなのかを、素早く知らせることである。人は出来事に対して素早い情動的反応をするが、この情動反応は、何をすべきか人に知らせる信号の役割を果たす。過去の出来事に対していつまでも情動的に反応することの問題点は、これらの信号が伝わるのをより難しくしてしまうことだ。もし昨日の成功でまだ至福の状態に酔っていたら、今日の危険や危機は、より認識されにくくなってしまう。

自分を知り、自分を変える 適応的無意識の心理学 ティモシー・ウイルソン 著 村田 光二 監訳 P194~195

 情動反応が長く続くと、生きていくには都合が悪いからということになる。もちろん情動(身体の変化)はそれを知覚することによって感情を認識することになるのだが。

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