ダマシオの情動と感情の理論
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「情動」という言葉ですが、辞書には「強い感情」とか「身体的変化を伴う感情」というふうに書かれています。
ダマシオは「身体的変化を伴う強い感情」を分解しました。ダマシオのいう「情動」とは身体の変化のみを示しています。それは自律神経系の変化もそうですし、筋骨格系の動きも含み、行動という意味ももっています。それを知覚したものが感情ということです。
私は身体状態の一連の変化を情動の本質と見ている。
デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳 アントニオ・R・ダマシオ著 田中 三彦訳
ちくま学芸文庫 P221
身体的変化が起きるとあなたはその存在を知るようになり、その連続的展開をモニターすることができる。あなたはあなたの身体状態の変化を知覚し、何秒、何分とその展開を追っていく。その連続的なモニタリング・プロセスが、すなわち、特定の内容についての思考が進行しているさなかにあなたの身体がしていることを経験することが、私の言う感情の本質である。
デカルトの誤り 情動、理性、人間の脳 アントニオ・R・ダマシオ著 田中 三彦訳
ちくま学芸文庫 P229~230
ところで、森田療法をやっている方は気付いたかもしれません。森田療法でよく「感情は感情、行動は行動」というフレーズを使うのではありませんか?
※この内容については第34回日本森田療法学会で発表した。